ルート化やカスタムROMのインストール手順は、時代とともに変化しています。
昔はTWRPリカバリーを使って、カスタムROMを端末に書き込むのが一般的でした。
しかし、最近ではこの手法は過去のものとなり、もはや主流とは言えなくなっています。
現在の主流は、LineageOSなどのカスタムROM独自のリカバリーを使う方法です。
このリカバリーには「adb sideload」という機能があり、これを使ってROMファイルなどをPCから直接端末に送信し、書き込みを行います。
本記事の手順は、Xiaomi端末でLineageOS 21(Android 14)をインストールしたときのものです。
他の端末では操作や手順が異なる場合がありますので、ご注意ください。
事前準備
この記事では触れていませんが、事前に以下の2つを行っておいてください。
- ブートローダーのロックを解除する
- adb/fastbootコマンドを使えるようにする
ブートローダーがロックされていると、カスタムROMの書き込みやルート化などの作業ができません。そのため、カスタマイズを行う前にブートローダーのロックを解除しておく必要があります。
adbコマンドとfastbootコマンドは、Androidデバイスを操作するための重要なツールです。これらのコマンドを使えるようにしておくと、様々な作業がスムーズに行えます。
カスタムROMとリカバリーイメージをダウンロードする
まず、LineageOS公式サイトにアクセスします。
自分の端末を検索し、最新(Latest)の「lineage~.zip」と「recovery.img」の2つをダウンロードしてください。
今回はTWRPではなく、LineageOSの公式リカバリーを使用します。
Google Gappsをダウンロードする
続けて、Google Gappsをダウンロードします。
このGappsパッケージをインストールすることで、Google PlayストアやGmailなどのGoogleアプリを利用できるようになります。
インストールするLineageOSのバージョンを探し、「ARM64」をクリックします。
Assetsにある「MindTheGapps~.zip」をダウンロードします。
ファイルを移動する
先程ダウンロードした3つのファイルを、Cドライブ直下に移動させます。
ファイル名が長いと、コマンドを打つ際に面倒だったり、誤入力してしまう原因になります。そのため、ファイル名を短いわかりやすい名前にリネームしておきましょう。
この記事では、「recovery.img」、「lineage.zip」、「Gapps.zip」というファイル名でインストール作業を進めていきます。
リカバリーイメージをインストールする
カスタムROMをインストールするには、まずリカバリーイメージと呼ばれる特別なソフトウェアをインストールする必要があります。
TWRPがすでにインストールされている場合は、上書きされ、このリカバリーに置き換えられます。
スマホとパソコンを繋ぐ
まず、スマホとパソコンをUSBケーブルで接続します。
PowerShellを開く
先ほどダウンロードしたファイルが置いてあるCドライブ直下の空きスペースで右クリックし、「ターミナルで開く」を選択すると、「Windows PowerShell」が起動します。
Windows10の場合は、Shiftキーを押しながら、右クリックすると「PowerShellで開く」が表示されます。
Fastbootモードを起動する
「ボリュームダウン」+「電源ボタン」長押しで、FASTBOOT画面を表示させます。
または、PowerShellで「adb reboot bootloader」と入力しても起動させることができます。
リカバリーイメージを書き込む
Fastboot画面を表示させた状態で、
fastboot flash recovery recovery.img
と入力すると、リカバリーイメージが端末にインストールされます。
リカバリーを起動させる
続けて、
fastboot boot recovery.img
と入力し、先程インストールしたリカバリーを起動させます。
しばらくすると、LineageOSの公式リカバリーが起動します。
次回以降、リカバリーを起動するには、電源を切った状態で「ボリュームアップ」+「電源ボタン」を同時に長押しして起動させてください。
画面操作は、直接タッチするか、「ボリュームアップ/ダウン」で選択、「電源ボタン」で決定することもできます。
LineageOSをインストールする
LineageOSのROMをインストールします。
端末を初期化する
まず、端末を初期化するため、「Factory reset」を選択します。
「Format data/factory reset」を選択します。
「Format data」を押すと初期化が始まります。
初期化が完了すると、画面の下部にあるログ欄に「Data wipe complete.」と表示されます。
LineageOSをインストールする
ホーム画面に戻り、「Apply update」を選択します。
「Apply from ADB」を選択します。
「ADB Sideload」という画面になったら、パソコン側でコマンドを入力します。
adb -d sideload lineage.zip
と入力すると、LinegaOSのインストールが始まり、下に進行状況のパーセンテージが表示されます。
Google Gappsをインストールする
LineageOSのインストールが終わったら、
adb -d sideload Gapps.zip
と入力し、Google Gappsをインストールします。
途中、「Signature verification failed. Install anyway?」というメッセージが表示されます。
これは、「署名の検証に失敗しました。それでも、インストールしますか?」という意味なので「YES」を選択してインストールを進めます。
システムを再起動する
すべてのインストールが完了したら、ホーム画面に戻って「Reboot system now」を選択します。すると、Androidシステムが起動します。
初回の起動は長めで、数分かかります。
しばらくすると「ようこそ」画面が表示されます。
以上で、LinegeOSのインストールは完了です。
おつかれさまでした。
続けて、root化する場合は、以下の記事を参考にしてください。