AMDの「Ryzenシリーズ」は、CPUソケットの構造上、“スッポン”という現象が起こることを知りました。
自作PCにおいては、かなり有名な話のようで、この“スッポン”をすると、CPUのピン折れが発生する可能性があるそうだ。
今回はこの“スッポン”を未然に防ぐため『スッポン防止ブラケット』なるものを取り付けてみた。
スッポンとは?
AMDのみで発生する
この“スッポン”は、CPUソケットの構造上、AMD製のCPUのみで発生する現象です。
AMD用のCPUソケットは、レバーを小さな爪でとめているだけなので、強い力が加わるとレバーが外れ、ソケットからCPUが抜けてしまうのです。
ピン折れする可能性がある
そして、このスッポンをしてしまうとCPUのピン折れが発生する可能性があります。
もしピンを折ってしまったら、そのCPUは使い物になりません。元通り修復することも非常に困難です。
なので、スッポン自体をしないように対策する必要があります。
スッポン防止ブラケットを購入
スッポンを防止するために『ProArtist IFE2』を購入しました。
こいつでCPUソケットを押さえつけることで、スッポンを防ぐことができます。
ProArtist IFE2の詳細
Amazonで586円でした。とても安価なのでRyzenで自作PCを組む際に、一緒に取り付けておくことをおすすめします。
ProArtistは、中国を拠点とする新興メーカーです。
日本での販売は、CPUクーラーで有名な「株式会社サイズ」が取り仕切っています。
中身はブラケットだけの簡素なものでした。
互換性に注意!
基本的にProArtist以外のCPUクーラーでの使用は自己責任です。
他社のCPUクーラーを取り付ける場合は、スペーサーのサイズが重要になってきます。
スペーサーが1cmなら取付可能
これはCPUクーラーに付属している「スペーサー」です。
画像のスペーサーは、ねじ付きなので少し変わっていますが、普通は樹脂製の円柱型スペーサーが多いと思います。
わたしが調べたところ、ProArtistのスペーサーの高さが1cm、その他互換性のあるCPUクーラーのスペーサーも1cmでした。
なので、このスペーサーの高さが1cmなら『ProArtist IFE2』を取り付けることが可能と思われます。
ここの長さです。
サイズの独自検証によるとリテンションAの『虎徹 Mark II』にも取り付け可能なようです。
DEEPCOOL AS500との互換性を確認
わたしは『DEEPCOOL AS500』というCPUクーラーに、『ProArtist IFE2』を取り付けました。
結論から言うと、問題なく取り付けることができます。
室温25℃、アイドル時のCPU温度です。
画像の通り、よく冷えているので取り付けは正常に行えています。
関連記事:「DEEPCOOL AS500」をレビュー。よく冷えると噂のCPUクーラーを買ってみた
精度がちょっと心配
ブラケットを取り出した際、プレートの脚が浮いているのが気になりました。
Amazonのレビューにも不具合報告があったので、正直なところ精度が心配です。
しかし、四角いところが歪んでいるわけではなかったので、プレートをボルトで固定してしまえば、正常に取り付けることができました。
とりあえず、「仮付け」してみて、歪みがないことを確認してから、CPUクーラーを取り付けるようにしたほうがいいと思います。
取り付け方法
CPUクーラー『DEEPCOOL AS500』を使った取り付け方法を紹介します。
まず、マザーボードにもともと付いているソケットを取り外します。
ねじ穴が出ているのがバックプレートです。
AMDはマザーボード付属のものをそのまま使用します。
はじめにスペーサーを取り付けます。
CPUソケットのレバーを持ち上げたら、「CPUの隅にある▲」と「ソケットの隅にある▲」の目印を合わせてセットします。
レバーを下げると、スライドしてCPUが固定されます。
今回取り付ける「スッポン防止ブラケット」は、このレバーと台座が動かないように固定するためのものです。
『ProArtist IFE2』をCPUの上に乗せます。
AM4用のリテンションをセットし、固定用ナットを取り付けます。
あとはグリスを塗って、CPUクーラーを取り付けたら完了です。
正常な取り付け状態
正常に取り付けられている状態がこちら↓
ブラケットよりもCPUが出っ張っていなければなりません。
そうでないとCPUクーラーを置いたときにCPUと接触せず、正常に冷やすことができません。
まとめ
- スッポンするとピン折れの可能性あり
- AMDのCPUだけで起こる現象
- スッポン防止ブラケットで未然に防ぐ
- CPUクーラーとの互換性に注意
CPUクーラーの互換性にちょっと難ありですが、自作PCの初心者ほど必須な商品だと思うので、新たにPCを組む際は、一緒に取り付けておくことをおすすめします。